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航空法で定められた航空障害灯
ビルの赤い光は飛行機が夜間に飛行する際、建造物の存在を示す目印として設置されています。旅客機のように高高度を飛行するなら、ただ夜景を綺麗に見せる赤い光でしかありませんが、例えばヘリコプターが都市部で夜間の遊覧飛行をするなら、高い建物になくてはならない光の目印です。
航空障害灯が日本で最初に設置された建造物は東京タワー、だそうなので飲み会の際の航空雑学を披露する切り口にご利用ください。
色と設置する建物の高さ
次は光が高さ何メートルに設置されているのか、と設置対象の条件についてですが、小難しい話はしません。へー!手前くらいの知識と最後にいいネタを用意してありますので、気軽にお読みください。
赤い光は低光度赤色航空障害灯と中光度赤色航空障害灯の2種類、どちらも夜間のみ点滅(厳密には航空法で明滅という。)しますが、字の如く低光度赤色航空障害灯より中光度赤色航空障害灯の方が明るいです。60m以上の建物が対象で、屋上の4隅に設置します。
150m以上の高層ビルは屋上の4隅に設置したあと、52.5mずつの間隔で下方の4隅にも設置しますが、97.5mより低い高さには設置しません。明るい方の中光度赤色航空障害灯は150m以上の高層ビル屋上にのみ設置されますが、4隅にではなく対角線の2隅です。その2隅を除けば、赤い光は全て低光度赤色航空障害灯です。
煙突、電波塔、クレーンなど高くて細いの注意!
細くて高いものは高層ビルや高い建物とは別扱いです。細いものには白い光の白色航空障害灯という灯火があります。白色は通常の点滅ではなくフラッシュ(閃光)点滅で、輝度が一番高い高光度白色航空障害灯と呼ばれています。白い光は昼も夜も点灯しなければならないのですが、白い光が嫌なら他の手があります。
それは赤と白に塗って目立たせること。昼間でも目立つよう全体を紅白で交互に塗れば白色航空障害灯の設置は不要です。
他にも細長い系には灯火のルールがありますが、もう聞いてる相手も飽きてくるころでしょうからそろそろ飛行機雑学でシメます。
すると東京タワーも細くて高いから、昼間のこと考えて赤と白に塗らなきゃだめってことになるよね。
はい、そのとおりです。東京タワーはちゃんと航空法に則った色をしています。
東京タワーの色は航空法の昼間障害標識を利用したもので、高い部分を赤と白で交互に塗っているだけだったんです。昼間に白いフラッシュを光らせれば、色は自由に選んでデザインできたのですが、あえて設計者は飛行機のための昼間障害標識を剥き出しで建造する選択をしたといえます。
東京スカイツリーはスタイリッシュさの代償として、高光度航空障害灯
飛行機が街の景観にも影響を与えている、ほんの身近な一例です。
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