センサー、ウェアラブル、バーチャルリアリティなどを含むIoT技術は、空港機能の大部分をインターネットで繋げます。世界の航空会社の約25%がすでにIoTの導入を始めています。
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旅行者は空港のIoT技術がゆっくりと浸透し慣れていく
オンラインチェックインにより、チェックインカウンターで並ぶ必要がないことを旅行者が気がつくまで時間は掛かりませんでした。今後は、税関を抜けて飛行機の登場ゲートに着くと、搭乗者のスマートフォンに搭乗予定機の現在地や遅延の状況などがリアルタイムで表示されるようになります。空港の利用に慣れた旅行者は、空港に着いてから搭乗まで30分で移動できる可能性すら秘めています。
また、空港、航空会社はヒューマンエラーを防ぐ手段の一つとしても最新技術を導入します。搭乗者が荷物を紛失した時には、高機能センサーで荷物の位置を感知し、腕時計のような身につけられるウェアラブルデバイスを使って旅行者の荷物捜索に役立たせます。
空港のIoTで最先端、航空業界団体のSITAによる調査
SITAはスイスのジュネーブに本部を置く航空業界の非営利団体。現在はマルチインターネット技術のIT会社として知られていますが、設立は1949年と歴史は長く、11の航空会社がSITAの活動に参加して円滑なコミュニケーションと情報共有のネットワークを構築することがスタートでした。
世界各地域の空港、航空管制システム、航空会社間でインターネットを利用した情報共有を促進し、航空機運航の安全性と定時制に貢献することを目的とするSITAのAirport IT Trends Survey 2016には、2019年に世界の調査対象225空港の50%でAirport-CDM(空港強調意思決定)が導入される予測が出ています。
出典: SITA
センサーは旅行者の行動を把握し利便性改善に利用
高性能センサーはIoTの中核ともいえる要素です。以下は、各箇所に今後3年間でセンサーが配置されるであろう空港の割合です。
- セキュリティチェックポイント 66%
- 預け荷物エリア 61%
- 商用施設エリア 60%
- 搭乗ゲート 54%
- 荷物受け取りエリア 52%
空港管理者は、的確に旅行者の利便性を向上させるためセンサーで得た情報を分析し、緊急時には焦点を当てる必要がある場所、情報をリアルタイムで表示し把握することができます。航空会社はチェックインカウンターのスタッフ追加時機の特定にも利用出来ますし、乗り継ぎ空港での案内時には該当者がどこにいるか予め把握できます。センサーで得られるデータは、間違いなく空港内の様々な処理をスピードアップし、サービスの向上と正確な情報把握に役立ちます。
空港のIoT技術はセンサーだけじゃない
センサーは空港に適用されるIoT関連技術の一つに過ぎません。スマートフォンを持つ旅行者は、空港に着けば次に向かう場所がアプリ上で常に表示され、搭乗ゲートまで無駄なく移動できます。
ときに、データが示す人の動きの情報は、人間の直感や経験に基づいたものと異なる結果を表示するでしょう。Aiの分析と人間の感覚、サービスはどちらが上かなどと競わずに、便利な道具と上手に付き合う方法を考えるほうが賢明そうです。
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