航空無線

航空無線を実例で学ぶ集中講座3

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2016/01/27 KLM航空がフラップトラブルでゴーアラウンド

KLM航空1576便(ボーイング737)は、ギリシャのアテネ国際空港(LGAV)からアムステルダム空港(EHAM)行きの国際旅客便で、アムステルダム空港の滑走路へ向けて進入中、フラップトラブルにより(パイロット自らの判断で)ゴーアラウンドすることを通報する。

トラブルシュートの後、滑走路、進入方式を決定するまで空中を何となく旋回中。3度目の着陸試みは通常よりも高速状態での接地となったが、安全に到着することができた。

 

2016/02/06 サウスウェスト航空が離陸直後にエンジントラブル

サウスウェスト航空5252便(ボーイング737)は、アメリカのオーランド空港(KMCO)からシカゴミッドウェー国際空港(KMDW)行きの国内便で、離陸直後にエンジントラブルが発生。航空機はトラブルシュートを含め、約35分ほど飛行した後にオーランド空港へ再度着陸をした。

離陸直後のエアターンバックは、燃料が大部分残っているためやはりハードランディングになりやすい。緊急度合いにもよるが、通常はヒューエルダンピング(Fuel dumping: 燃料投棄)を行ってから出発空港へ再度到着に戻る。管制官が状況を把握したい焦りからパイロットに質問をし過ぎている感じを受ける。緊急宣言するほどならコックピットの負荷は相当なものがあるので、管制官からはなるべく話しかけないよう通信を心がけられると良いが、当の管制官本人にしか分からないプレッシャーがあるので第三者の結果論は禁物。

 

2016/05/17 リパブリック航空4233便が雷に打たれてダイバート

ニューヨークには3つのメイン空港がある。最初に着陸しようと雨雲に入っていくのはラガーディア空港、左に見えるのがニューアーク国際空港、それからこの動画で最終的にダイバート(本来の目的空港とはことなる空港に行き先を変更すること)先となるジョンエフケネディー国際空港。

ニューヨークアプローチは、最初にパイロットからJFK空港にダイバートしたいと言われたとき、管制官は飛行の方向だけを指示してレーダー誘導目標(JFK空港の進入Fix)を言わなかったので、パイロットは再度JFKにダイバートしたいと管制官に確認を取っている。途中、パイロットは到着滑走路を誤認している素ぶりがあったが、管制官は冷静に示唆して理解を促した。

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4 Comments

  • Reply
    トミー
    2016年12月29日 at 11:52 PM

    最近このブログの存在を知り、拝読している高校3年の者です。(センター試験2週間前です。崖っぷちです。)
    元々中学3年の頃から管制官になりたいと思い始め、このブログを見てさらにその思いが強くなりました。
    これからもブログの更新楽しみにしています!

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    てっちりん
    2016年12月30日 at 1:06 AM

    トミーさん、コメントありがとうございます。
    願えば叶う、という根拠がない綺麗ごとは好きじゃありません。実際は、願いが強いほど人は努力して理想の姿に変えることが出来る、ってことだと思っています。僕の場合、願いが芽生えたのは遅咲きでしたが、もう何年掛かっても構わないから航空管制官になりたい、という程強く願って努力しました。
    試験の結果に一喜一憂せず、本当に得たいと思うものは一生を捧げるつもりで得てください。するともれなく、後悔しない未来が待っています。

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    K.Kimura
    2017年8月31日 at 7:56 AM

    こんにちは。このサイト良いですね。ATCはネィティブ英語の聞き取りの最適な練習になります。ATC を一時間くらい聴いてから,BBCのニュースをテレビで観ると,めちゃくちゃアナウンサーの英語のスピードがゆっくりに感じます。

  • Reply
    てっちりん
    2017年11月28日 at 10:05 PM

    KIMURAさん
    ありがとうございます。
    ネイティブでもATCの用語を知らなければ、聞き取れないと言われています。本当はパイロットに一発で聞き取ってもらえるように、アナウンサー並みにハッキリ話すのが良いのですが、早口=聞き取りにくい、ではないですし、ゆっくり=聞き取りやすい、でもないんです。
    落ち着いた心でシンプルな表現、というのがベストかもしれません。

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