航空保安大学校

航空管制官採用試験対策

デルタ航空ピンク

目次

前回のあらすじ

夢も希望も朽ち果てたイチ大学4年生だった彼は、将来の行く末を考えるだけで一日中ファミレスに居られる程悩んでいた。ドリンクバーはいつも決まってメロンソーダ。本物のメロンは苦手だがメロンソーダにコーヒーで使うミルクを入れて、メロンソーダフロート気分を味わうことが何よりもリラックスできる時間だった。

そして、男はついに偽メロンソーダフロートを一気に飲み干し、ファミレスに別れを告げる。

航空管制官としての未来はまだまだ遠い、彼が向かった次の場所は、、、。

 

航空保安大採用試験対策を模索

航空管制官の採用試験は1次試験に他の国家公務員試験と同様に文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈という知能分野と自然、人文、社会が出題されます。合わせて膨大な長文読解を要する英語と短期記憶力が求められる適性試験を含めて、

なんと約6時間の長丁場!

試験を受けて無事におうちに帰れるだけマシな世界です。

 

簡単に各分野の説明をします。

「基礎能力試験 – 公務員試験全般共通」

文章理解→小学校から長きに続き学生を悩ます国語とかの筆者の気持ちを選ぶ類

判断推理→一人一人の証言をもとに推理して、グループの中で嘘をついてる人を見つける類

数的推理→判断推理の複雑バージョン。高校生の数学レベルの基礎知識が求められる。

資料解釈→たったの3題しか出題されない邪魔なジャンル。時間をかければ誰でも回答にたどり着ける内容だが、試験時間がギリギリに設定されているので早く正確に解く必要がある。過去問を見ると資料が複雑すぎて、まともに考えるだけ無駄なものもある。

自然→大学入試センター試験の理系教科

人文→大学入試センター試験の文系教科

社会→大学入試センター試験の社会公民

「英語試験 – 英語が要求される職種特有の試験」

英分解釈、英文法、発音等→平気でA4の1ページ丸々くらいの英語長文がどんどん出てくるので、意味を読み取って出題の選択肢で答える形式です。1試験中に20くらいのミニストーリー英文を読むようなものなので、過去問を見て最初にドン引きできます。長文を時間かけて読破するも束の間、残りの文法と発音問題も難解という英語地獄テストです。

ヒアリング→当時試験を受けたときは2次試験だったはず。それと同じなら、どこにでもよくあるリスニングなので、地の英語力が試されます。

「適性試験 – 航空管制官職種のみ」

記憶についての検査→種類の違う大きさの飛行機アイコンと日本のどこかの地名が適当に書かれた絵が出る。それを制限時間内でまず覚える。回収後に嫌がらせのごとく時間をあけられる(記憶したものがどんどん消えていく)。で、最後にその絵に関する簡単な質問に答える、というものです。

空間関係についての検査→出題に合わせて頭の中で立体物を回転させて、回転後の状況を答える問題です。

 

デルタ航空特別塗装
デルタ航空の特別カラー塗装を見て休憩

 

試験の概要を書くだけでこのボリューム!

今から同じ試験を目指しても僕には到底無理です。

航空管制官になりたい、という思いなくしては受かりません。

ですが、個人的には普通の就職活動のようにエントリーシートに良いことを書いて、御社に入りたいんです!!とアピールするよりは、航空管制官になりたいから必死で勉強して良い点数を取ってアピールする方が性に合っていたのだと思います。

大変、でもこの試験でOK。それくらい大変な思いをしてまでやり遂げられる人にこそ、やりたいことを自分の仕事にできる権利が与えられると僕は思います。

 

図書館さようなら、老人ホームこんにちは

大学4年生でどこも就職活動をしていない崖っぷちの状態でした。しかもずっと理系科目の勉強だけで生きてきて突然方針変換をするわけです。あまりに馬鹿げた話かもしれませんが、おそらくこういう難関試験の勉強を、何の保証もなく受け続ける人たちは皆同じだと思います。

受かるかどうかも分からないし就職できないことで不安にさせるのも嫌なので、親にも言わずに航空管制官の勉強を始めたことをハッキリ覚えています。

 

地元の図書館に自習室があって最初は通っていたのですが集中して勉強するには人が多すぎました。開館時間も遅いし閉館時間も早いため、自分で決めた勉強時間をこなすには生活スタイルに合いません。

 

そこで見つけたのが老人ホームと化していたコミュニティーセンターです。

コミュニティーセンターの自習室なんて誰もいません。たまに、趣味で書道の練習をする人がいた程度です。特にご老人が多く来る場所なので朝は早いし、夜になれば俳句、日本舞踊、何もなくても家族連れでお茶会を楽しむような微笑ましい光景のなか、形相が違う男が本を積んで自習室にこもって勉強する、という終わりなき航空管制官への就職活動が始まりました。

 

今度は自販機で買うミルクなしのメロンソーダを飲みながら。

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