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航空機の飛行を支える翼面の工夫

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飛行機に乗って窓から外を眺めると、右か左か旅客機の主翼がまず目に入ります。心配性の方は、空気抵抗を受けて主翼がしなりながら翼面の各装置がバラバラ動く様子を見て不安に思うかもしれませんが、フラップやスポイラーに異常があればコックピットで警告が出ているはずなので、客室乗務員さんを呼んで「翼面に異常が見られる。」とかくれぐれも言わないように。

今日は航空機の飛行を支える翼面の装置について学びます。

目次

大型ジェット旅客機の主翼と各装置類

1. ウイングレット 2. エルロン(低速用補助翼) 3. エルロン(高速用補助翼) 4. フラップトラックフェアリング 5. 前縁フラップ(クルーガ・フラップ) 6. スラット 7. 後縁フラップ(内側) 8. 後縁フラップ(外側) 9. スポイラー 10. スポイラー(エアーブレーキ用)

Control surfaces on airfoil.svg
By Arne Nordmann投稿者自身による作品, based on the illustration Image:PlaneWing.png by Piotr Jaworski, CC 表示-継承 3.0, Link

 

風を感じて掴む

飛行機は揚力で空に浮いています。ジェットエンジンの推力で速度を得て、前から受ける風の圧力を増すことで主翼を押し上げる方向に力が発生する、というのが飛行機が飛ぶ原理です。旅客機のような巨大な鉄の塊も上空の大気が相手ではアルミ缶。台風に持ってかれる傘と同じです。

着陸時の操縦は風を感じて掴むイメージ、と表現するパイロットの方が多かったです。離着陸時を除いて上空の飛行はほぼオートパイロットですが、翼面の各部品はオートパイロットを使用しない離着陸時にこそ操作が必須です。A380には離陸時に適用できる自動操縦があるそうですが、オートパイロットで離陸することを無線で言ってきたパイロットはいませんでした。別に言う義務もありませんが。

各部の役割はこちらの動画を参考にしてください。

 

航空機主翼の先端に部品が付いてるけど説明はスルー

とても分かりやすくて為になる動画ですが、誰もが気になる先っちょの部品については敢えて触れていません。紙飛行機を遠くへ飛ばす自慢をする子供が考えそうな、主翼の先端が上に尖ってるあれです。ウィングレットは全ての飛行機に付いているわけでも、機種によって付いてるかどうか決まる訳でもありません。

スカンジナビア航空の公式ブログに良い説明がありました。

Why planes have winglets

The part of an airplane wing furthest from the fuselage is called the wingtip. There are many designs, but in all cases the purpose of the wingtip is to reduce the aircraft’s drag and improve its efficiency. Wingtips that have an upward facing angle are known as winglets and they reduce air resistance without increasing the wingspan. A Boeing 737-800’s winglet reduces fuel consumption by 1–4%, depending on the distance and how heavily loaded the plane is. The longer the flight and the heavier the plane, the better the effect.

引用: https://scandinaviantraveler.com/no/node/4804

なぜ、飛行機にウィングレットがあるのか。

航空機の胴体から最も離れた主翼の先を翼端と言います。翼端に部品が付いてるかもしくは翼面の延長上で上に曲がって翼端が立っているような形になっているか、ウィングレットは大体どちらかのデザインですが、ほとんど全てのウィングレットは、航空機の直進性を高めて飛行効率の改善に繋がります。直進性は高まりますが、横風の影響はウィングレット無しの飛行機よりも大きいです。

機体重量があってもエコで効率良く、飛行距離まで伸ばせるのがウィングレット。

遠くへ飛ばせる紙飛行機の工夫は、子供なりに裏付けがあったのかもしれません。

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