航空管制官は声で喋ることだけが仕事かのように伝えてきましたが、ストリップ(英語で正式に言うとフライトプログレスストリップ)に記録を残すということは無線通信と同じくらい重要です。ストリップ、と言っても変な意味ではありませんので、wikipediaでストリップの意味を見て一般の認知度を確かめてみました。
目次
ストリップ strip
・音に合わせて服を脱ぐ様(strip)、またはその様態を鑑賞すること。ときに鑑賞する場(striptease)を指す。
・被覆電線の被覆を剥いで電線を剥き出しにする操作。
・剥ぐための器具は、ワイヤストリッパーもしくは単にストリッパーと言う。
中略
・印刷において、製版フィルムのミスを修正すること(ストリップ修正)。
・牛肉の切り方。ストリップカット(細切り)。
・航空交通管制を行う際に航空管制官が用いる、航行中または出発予定の航空機の情報を記した細長い紙。運航票。
・ストリップライン(ストリップ線路):交流信号(一般にはUHF以上の高周波信号)を伝送するための線路
何とか下から2番目に航空管制官が使うストリップが載っていましたが、やはりそっちの意味が先に表示されてしまったので良い子のために隠してあります。ついでにまともな文章も隠して読者の想像力を掻き立てています。
なお、パソコンが調子悪くて更新が出来ない日々が続いたので、復活した今日は遊び心満点でお送りします。
※夏休みはポケモンGOより、Live ATCで羽田のレア緊急通信ゲットだぜ!
ストリップとは航空管制官が実務で見て触って記入する一片の紙
説明するより見るほうが早く理解できるので、まずは何も書かれていないストリップ用紙から始めて、単なる長方形の紙が航空管制官にどう扱われているかをお見せします。ストリップに印字されている情報というのは、航空機の飛行機便名や型式、飛行ルートといった航空管制の現場で必要な最低限の情報です。
ストリップ用紙の1日
このぐるぐる巻きロールペーパーが、
プリンターに色々印字されて、ロールの回転音とともにペロッと登場し、
大人に無理やりホルダー着せられて、
片側だけ上げさせられて、赤とか黒のペンで色々書かれて、
何回もカチャカチャ並べ替えられて、コンタクトの度に管制卓を移動させられ
ホルダーの心地が良くなったと思い始めた途端に脱がされて、
用が無くなれば輪ゴムでくくり付けられ暗い倉庫で保管されます。
こう見えても国土交通大臣の公式文書
そもそも航空管制官は何の権限で飛行機に対して色々指示出来るのか、と問われれば、航空法で航空管制官の交通指示は国土交通大臣の命令と等しいとされているからです。航空管制官はパイロットに無線通信で指示したことを証拠として残すため、ストリップ用紙に逐一記入しなければなりません。
ストリップは見た目と違って適当なメモ用紙ではなく、管制指示の裏付けとなるように管制官は定められた書式で決められた位置に記号、数字、航空用語の英語略号などを書き残す義務があります。そうして保管されたストリップ一枚一枚は、国土交通大臣の記した公式文書に等しいものとなります。
紙の役割についてはこれくらいの理解で十分ですので、明日は具体的に一体何が書かれているのかを説明しながら、ストリップの書き方、ストリップホルダーの使い方や様々な工夫についてお届けします。
パソコンが故障しなければ > <
1 Comment
匿名
2024年11月2日 at 7:36 PMこの記事の続きどこー?