航空保安大学校

管制官になるにはと悩む大学4年生

前回までのあらすじ

小さい頃はとても臆病で、一人では実家と学校と最寄駅をつないだ3角形の範囲から出ることができないほどだった。学校の成績もぱっとせず、クラスの小テストの結果はいつも決まって65点。どの教科もまんべんなく出来ない彼だったが、唯一誰にも負けない特技があった。それがテレビゲーム。地域のゲーム大会、それもとりわけ相手と1対1で勝負する格闘技系のゲーム大会で、並みいる大人たちを相手に毎回のごとく優勝するそんな少年だった。卒業文集の将来の夢にはプロのゲーマーと書かれていることからも、よっぽど傾倒していたことが伺える。

ところが中学校に入ると生活が激変する。小学校の算数では気づけなかった数学の面白さに気がつく。とはいってもその面白さとは、純粋な教科に対する面白さではない。勉強すれば素直に点数が伸びることに快感を覚え始めたのである。数学なら100点を取れるかもしれない、そう思い始めた頃からいかにしてゲーム機に誘惑されないように距離を置くかを考え始めるようになった。

そして高校受験を前にして彼は一大決心をする。自分は県内の県立トップ高校に入るために毎日勉強をする、そのためにゲーム機は友人に無期限で貸すことにしたのだ。数学を除けば偏差値は20近く今の成績よりも高い、無謀な挑戦と周りの大人たちには映ったことだろう。

ところが、ギリギリの合格点ではあったがその公約を見事に達成して見せた。

最寄駅の線路を越えた反対側にすら行けなかった彼が、枠内から飛び出して挑戦すれば、新しい世界が広がることを知ったのである。

そして今もまた航空管制官採用試験という新たな挑戦のため、まさにその線路の向こう側にあるコミュニティーセンターの自習室でもがいている。

 

航空管制官採用試験まで残り3か月

彼は焦っていた。公務員試験の模擬テストの結果がとても悪かったからだ。いつも勉強を始める初期段階で、あえて早すぎる模試を受けてみて、自分の立ち位置を知ることから始めるスタイルだった。ところが今回の国家公務員試験の模試結果と受験合格者の平均点との隔たりは、高校受験、大学受験時のそれとは比較にならないほどだった。しかも航空管制官採用試験では、そこに英語と適性試験の2つが加わることから、普通にやってたらとてもじゃないが合格することはなく、せっかくある程度名がある理系大学の貴重な新卒資格を失い、就職できずにフリーター生活になるのではという不安がいつもよぎっていた。

まず、例の飲食店アルバイト先にその結果と自分が置かれている状況を説明し、国家公務員試験が終わるまでの間は休みをもらうことにした。大学も卒業までの単位は十分取れていたので、航空管制官になれるかどうか決まるまでは卒業研究に参加しないで良いとの特例を教授から頂いた。

氏いわく「私のラボから研究生で航空管制官になった人はいないから、ぜひ見てみたい。」ということで、理系の道終了の太鼓判も押してもらった。

 

これで環境は整った。あとは勉強して結果を出すだけ。

いくらそう思い込んでも、さすがに今回乗り越えなきゃいけない壁の高さに不安がよぎる方が大きかった。それでも彼はストップウォッチを握りしめ1日8時間を過ぎるまで家に帰らない、というルールでがむしゃらに勉強をする。

判断推理、数的処理、理系科目はどんどん吸収できた。高校の頃を懐かしむように生物や地学も記憶を蘇らせ、センター試験の過去問を解きあさった。公務員試験では定番の参考書ではあるが、面白いほど点数が取れるシリーズを熟読し、基礎能力試験の勉強を中心に、

 

取れるところは確実に取る

作戦でなんとか乗り切ろうとしていたのだ。ところが、ここで気がついたのは英語の対策方法が全く分からないということ。A4用紙を丸まる埋め尽くすほどの英語長文を20以上、約1時間20分程度で意味を読み取って正しい回答を選ぶ。それは頭では理解できるが、TOEIC400点も取れていない自分には何をやっても成長できないのでは、と思い悩んでいた。

日本人を悩ます英語の勉強法

そう、今思えば中学生の頃からそうだった。文系科目の点の取り方だけは未だに理解できずにいたのである。とりあえず英字新聞くらいはスラスラ読めるようになりたい、と思い手にした参考書を除いて、英語の勉強は何も手を付けられずにいた。

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