航空管制官

無線通信バトンリレー進行中

無線通信バトンリレー

全国に勤務する航空管制官は約2000人います。管制官の業務は空港で無線指示をすることだけではありません。管制塔では目で外を見て飛行機の安全な間隔を取り、レーダー室では空港を出発した飛行機とまもなく到着する飛行機が混在する空をレーダー画面を頼りに指示して誘導し、管制部と呼ばれる空港と全く関係ない場所にある全国で4か所の大型施設では高高度(地上から約7300メートル以上)かつ広範囲に渡って、やはりレーダー画面を利用した航空管制業務が行われています。

 

事務仕事も激務です。

あなたの住む町の道路が整備されて便利になるのと同じく、空の道(= 航空路)だって年々増え続ける飛行機数に対応できるよう日々開発されています。それ以外でも航空行政に関わるような部署では、普通の会社で良くあるようにデスク並べてパソコンに毎日向かって、時には鳴り続ける電話に対応して、というよくある風景もまた管制官の仕事の一部です。東大、京大出の高高学歴(地上から凡人では脳力が見えません)な方々がゴロゴロいるキャリアと呼ばれる国家公務員一種と肩を並べて仕事する部署もあります。

僕は事務仕事を経験出来ずに職を離れてしまいましたが、第2の人生では志しの高いキャリアさんと組んで、

「俺は現場で頑張るから、お前は気にせず上に行け。」

なんて、同世代ならニヤリとするテレビドラマの1シーンを現実に味わいたいものです。

 

航空管制最重要単語コンタクト

試験に出るから重要だぞ、どころの騒ぎではありません。毎日100回以上使うことになるから、そのつもりで勉強しなさい!ぐらいの単語です。

コンタクト?っていきなり言われてもということで、ちょっと辞書で調べてみました。

Contact [kάntækt]
(意味)接触、触れ合い、交際、縁故、手づる、コネ、接点

調べましたが、良い参考例に出会えませんでした。もっとも主要な意味である「接触」が一番しっくりきます。コンタクトレンズも目に接触するレンズですからね。その意味合いから派生して、航空管制でよく使うコンタクトは以下の意味になります。

 

Contact [kάntækt]
(意味)「もう僕は指示することないから、次の管制官とバトンタッチして」
(例文)Contact Tokyo Radar 123.4
「東京レーダー(管制官の呼び名)に周波数123.4でコンタクトせよ。」

 

お、いよいよ飲み会で使えそうなカッコイイ英語が出て参りました。僕自身、近しい人間と飲むことがあれば話すネタに困る後半くらいになってくると、

「飛行機に出発する指示してよ。」とか、

「いつもの管制官のモノマネ〜。」とか言い出す人が出てくるので、こっちはプライベートで仕事のそんなん飽き飽きするだけで全く披露したくないのですが、不特定多数の人に聞かれないとき限定で一人空想管制をやってあげてました。

石垣空港管制官エメラルドの海に映るは飛行機の影

さて、周波数を合わせてコンタクトする、というのがイメージ掴めないかもしれないですね。

パイロットは管制官に話しかけるときコックピットの送信機に周波数をセットします。ラジオを聞くときに周波数を合わせるのと同じですが、ラジオと大きく違うのはこっちからも話しかけられる、ということです。

パイロットがコンタクトするときは周波数を合わせて他のパイロットや管制官が話していないことを確認してから、

 

「管制官さん、僕いまココを飛んでます、〇〇のために指示ください。」

 

と、話しかけて管制官に自分のことを認識させます。管制の世界ではこの行為を通信設定と呼んでいます。通信設定後はその管制官の指示に従って飛行し、またその管制官の担当(管轄)するエリアを出て行く頃に、

「次は周波数〇〇で管制官に指示もらって。」と伝えてそのパイロットとの通信設定は終了です。

 

難しいですか?つまりこれが無線通信バトンリレー。

飛行機は空港を出発して目的地まで到着するまでの間、管制官にタライ回しに合ってるようなものなんです。一番最初の記事でパイロットは全ての動きに対して管制官の指示が必要というふうにお伝えしましたが、その”管制官”というのは一人じゃありません。

成田空港の管制塔から羽田空港は見えませんので当然1人で完結できません。それどころか、パイロットは成田空港の中を走行して離陸するまでの間だけでも4、5人くらいは管制官とコンタクトのタライ回しに合います。

 

あ、いい意味の方のタライ回しですよ!

 

パイロットはそうやって管制官から、次はこの周波数でこの人と、次はこれ、次はこれ、と言われながらフライトをしていたのです。

飛行機は無線通信バトンリレーのバトンです。走者は管制官。

 

バトンはみんなで協力してがっちり握ってますので、
どなた様もご搭乗の際はどうぞご安心を。

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