管制塔

ヨーロッパ方面の定期旅客便が遅く出発したい不可思議な理由2

夜明けの飛行機

空港でしばらく停止したい、と管制官に要求するパイロットの理由を知るにはフライトと時差の関係を理解する必要があります。航空管制で使う時間というのは世界共通でUTC(Coordinated Universal Time又はUniversal Time Coordinated)、日本語で協定世界時というイギリスの標準時を基準にしています。日本とイギリスの時差は9時間ですので、日本が昼の12時ならイギリスは早朝の3時になります。

つまり、日本を深夜12時に離陸した航空機が12時間の飛行で日本の12時に到着した場合、イギリスはまだ早朝3時です。

ということで、前回の続きです。

 

何で離陸を遅らせたいの?

と、無線で直接聞いてみました。するとパイロットからは予想通りの答えが返ってきました。

管制官: Why are you going to be delayed?
「なぜ遅れようとするか。」

パイロット: It’s too early. Our ground staff won’t be ready for handling.
「早すぎる。(到着先の空港で)地上スタッフが当機を受け入れる準備ができていないでしょう。」

地上で待たずにスイスイ離陸してしまったら目的空港に早く着き過ぎるので、空港上空で空中待機するか、滑走路に着陸したあと今と同じように誘導路上で待つことになる。だったら交通量が少ないと分かっているここで待ちたい、そういう意味で待機を要求したのでしょう。

 

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ハンドリングを担当していたグループ会社の知り合いに、

ここの空港からその路線がなくなった後、フライトを遅らせることになるなら旅客を機内に待たせておくよりも出発時間を遅らせたほうが良いのでは、と聞いてみました。

まず、スロットと呼ばれている航空会社に割り当てられた航空路線の出発時間帯の枠は、簡単に変えられるものではないということがまず前提にあり、プッシュバックだけでも予定時刻に開始しないとこのケースは国土交通省が統計を出している定時就航率(運航率)に影響が出る。

すると、旅客は航空会社の都合で離陸前に待たされていることになります。

それが原因でクレームになったりしないのでしょうか。

 

僕にはこのフライトを毎年利用する友人がいたので、地上で待機することを知らされた機内の様子について尋ねました。

彼が言うには機内アナウンスで知るのではなく、搭乗ゲートにいる時点ですでに説明がされるそうです。しかもそれを見越して、出発を開始する前に機内で軽いサービスが提供されるのが良いところ。チケットを購入する前から理解しているし、早朝に到着出来る便はこれしかないから好きで選んでいる、というお気に入り様でした。

 

管制官は管制塔からパイロットに指示や情報を与えているだけに見えますが、実はそれが旅客へのサービスにまで繋がっていることを示すほんの一例です。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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1 コメント

  • 返答
    てっちりん
    2016年9月8日 at 11:25 AM

    ご覧いただきありがとうございます。一ヶ月ほど前からコメント欄のスパム防止用キャプチャー画像が表示されない不具合が起きていましたが、すでに修正しておりますのでコメントが書き込めない場合はブラウザのキャッシュを削除して再度表示してみてください。みんなの掲示板(フォーラム)の復旧が遅れておりますが、改修を終えましたら再度ご報告します!

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