航空保安大学校

訓練は人生の半分くらいに影響するという事実

航空管制官は一人立ちできる実力が備わるまでにとても時間が掛かる職業の一つです。航空業界で運航に関わる職場では共通の呼び方をしていますが、航空管制官には英語でOJT(On-the-Job Training)という訓練期間があり、航空保安大学校を卒業したばかりなら各現場でOJTを開始して1〜3年くらい時間を要します。特に航空交通管制部は全ての仕事ができる資格を取るまで時間が掛かる職場です。

ここで、OJTの特徴について良い解説を見つけたので紹介します。

概要

OJTとは、職場の上司や先輩が、部下や後輩に対し具体的な仕事を与えて、その仕事を通して、仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを意図的計画的継続的に指導し、修得させることによって全体的な業務処理能力や力量を育成する活動である。

企業における特に新入社員教育では、一定期間の集合研修を経てOJTへ導入する形式を採ることが多い。専門的な職務能力を要する職種の場合、一人の新入社員に一人の先輩が指導者として割り当てられ実務を進めながら指導する。指導者の指名については該当者の業務実績以上に指導力を考慮する必要があり、特に指導力は新入社員のその後の運命すら左右する可能性がある。

OJTの成果と課題

OJTの成果は「実務の中で仕事を覚える」ことにより「OJTの成果が仕事の成果になる」など、研修の成果が業績に反映される。いわば「新入社員の成長」と「企業の業績向上」という、一石二鳥が期待できる。

ただし指導者となった先輩に指導力が伴わない場合、新入社員の能力向上どころかその可能性の芽を摘んでしまう。そのため指導者への課題として「どの分野は誰が詳しい」といった情報を新入社員に伝えるなど、職場内でのコミュニケーションの指導にも配慮が求められる。

また企業によってはいきなり業務を行わせ、いざという時のフォローだけ行うことをOJTと称することがある。指導する側の指導やチェックが確実に行われ指導される側が報告義務を欠かさなければ成果を出せるが、指導する側・される側のどちらかに問題があれば成果は期待できない。

結局、OJTの要諦は意図的計画的継続的の3つであり、これを欠くものは本来のOJTではない。

引用:Wikipedia “OJT

ちょっと話は脱線しますが、塾の講師をしていた頃に校長から”その道のプロじゃないことを人に語る場合、なるべくその道のプロの言葉を利用するほうがうまく伝わる”と教わりました。聞く相手にとっては言葉や内容よりも発話してる人が何者かが重要です。子供に宿題をやりなさい、というのは親ではなく勉強のプロである教師じゃなければ子供は納得しないのと同じ。Wikipediaの見事な説明に感謝します。

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航空管制官の訓練は国家公務員の組織として

訓練に掛けられる予算や習得する専門性の高さ、難易度を考慮して航空管制官の訓練には終了期間が設定されています。それまでに試験を受けられる実力に達したことが認められなければ訓練は中止となり、他の空港や管制部に異動して再び基礎の勉強からやり直しです。

それはそれは、人生計画の白紙化に近い影響がでます。

教える者は教わる者の人生を半分くらい変えてしまう。

航空管制官だけに限らず、教える立場の人は皆このことを理解しなければなりません。不幸にもそうなってしまった訓練生が航空管制官の世界を諦めないで前向きに頑張りたい、と思わせるのは簡単なことじゃありません。ヤル気が出る万能な言葉など存在しませんが、強いてそれを可能にするとしたら、

管制官として、人として理想にしたい姿を訓練生に見せられたかどうか。

塾の講師にとって、受験の合格発表日ほど嫌な日はありません。志望校に受からなかった生徒は心が折れて泣く子もいますが、冷静になった後、いつかは先生の様な大人になりたい、と立ち直って今まで以上に強くなる生徒もいます。

教える能力よりも大切なことは、好きにさせる能力。

航空管制官としてテキパキ仕事をこなす姿を見せるより、訓練生が仕事を好きになって一人で仕事に関する勉強したくなるよう仕向けるには何ができるか、を考えることが重要じゃないかと思います。

まあ、もはや航空管制官を辞めた航空オタクでしかない人間が言うことより、

「指導者の指名については該当者の業務実績以上に指導力を考慮する必要があり、特に指導力は新入社員のその後の運命すら左右する可能性がある。」

By Wikipedia

こっちのほうがグサッときますね。

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