航空無線

航空無線英語@JFK解説まとめ

大学生時代に塾の講師をやっていた頃のことを思い出しています。大学生がするアルバイトの中では給料が高い仕事の代表格ですが、その儲けの真髄は夏期講習と冬期講習にあります。20日くらい働けば社会人並みの給料が貰える美味しい職業なのですが、大学生アルバイトが講師という大役を担うには荷が重すぎて、気がつけば大学はそっちのけで塾の講師にハマりそのまま社員として採用されるケースも少なくありません。

授業というのは年間のカリキュラムを考えるとペースを守って効率良く教えた方が良いのですが、先生も生徒と同様に真剣な授業をやればやるほど疲れてきます。張り詰めた空気の中、真剣な眼差しで生徒から見つめられているので当然かもしれません。そうするともう残りの授業時間は雑談で終わらせようかな、という気になってきます。

先生は生徒だけでなく自分もリラックスするために気軽な話題に変えることがあります。
今まさにその心境です。ふー、雑談はこの辺にして。

 

英語、航空無線、管制官は海外 in ニューヨーク

説明してる本人がバテるほどの無茶な記事についてきてくれた皆様に感謝します。最終日はリラックスして流し読みするだけで大丈夫です。もう説明はすべて終わっています。頑張って3日間に渡る記事を読破してくれた人の頭には、英語と日本語の対訳を読むだけで航空無線を理解できる知識が備わっています。

 

 

パイロット; Tower, Delta165 back with you for 31R .
「タワー、デルタ165便、滑走路31Rに(着陸のため)戻ってきました。」

航空管制官; Delta165 heavy, Kennedy tower, wind 310 at 15 cleared to land 31R.着陸許可

パイロット; Cleared to land 31R, DAL165.(復唱)

パイロット; Wind check.
「ウィンドチェック。」
(パイロットが管制官に風を聞く用語)

航空管制官; 310 at 15.

これで、以上です。この後もゴーアラウンドの通信はありませんでしたので、着陸をやり直した航空機は無事空港に到着できたようです。文字に色を付けたのは風向と滑走路の向きについて説明するためです。そういえば塾の先生をやっていたときにも言われました。ホワイトボードは最低でも3色使え、と。

 

Q. 飛行機が進入する滑走路31番の追い風と向かい風の風向

A. ヘッドウィンド(向かい風)は310度、テールウィンド(追い風)は130度
※追い風、向かい風というのは感覚的なものですので、正確に言えば左右40度幅くらいは含まれます。

もしもこのとき地上風が130 at 15のテールウィンドだったら、飛行機はもう一度ゴーアラウンドするところでした。でも130度の風ならあらかじめ風向の変化を予測して滑走路を反対方向に使用していれば、到着機にとってはそれがヘッドウィンドに変わります。

変わります、というよりも航空機の交通量の情報から滑走路の使用方向を変更する機会を見つけ、今いる飛行機の交通流を徐々に整えていき

航空管制官が滑走路を変えています。

滑走路変更というのは風向と風速が変わるのを管制官が見極めて、飛行機の着陸が強風のクロスウィンドやテールウィンドになる前に、管制塔とレーダー室で密に連携をとって安全で遅延があまり発生しないように考えて前もって行います。

もちろん管制官が滑走路を変えたからといって母なる大地が生む大気の流れはそれについてきてくれません。滑走路を変えたのにしばらく風向が変わらないことも良くあります。プロの航空管制官と言えども風向の変化を100%見極めることはできません。ですが、1日の仕事を振り返ったときに滑走路変更のタイミングはあそこしかなかった、と自画自賛できる日もあります。

自己完結で虚しく思えるかもしれませんが、そのタイミングを見抜くことができた自分の成長に満足しているので、そういう日はぐっすり眠れます。

 

ということで、4日間にわたる航空無線解説はこれにて終了します。
最後に音声と英文とだけ残しておくので、気が向いたらいつでもここで聞いてみてください。

 

 

デルタ; Delta165, we’re joining the localizer RWY22L.
管制官; Delta165 heavy, Kennedy tower, caution wake turbulence from jet traffic 2-mile-final, cleared to land 22L, wind 310 at 19.
デルタ; 310 at 19, Delta 165.

デルタ; Check, one more time for 165?
管制官; 310 at 15 gust 30.

デルタ;  …ah… Say one more time?
管制官; 310 at 15 gust 30.
デルタ; We’re gonna go around, sir.
管制官; Delta 6… DAL165, you can… fly runway heading climb and maintain 2000.
デルタ; Runway heading 2000, DAL165.

管制官; DAL165, continue on the present heading, contact 135.9.

デルタ; Tower, Delta165 back with you for 31R .
管制官; Delta165 heavy, Kennedy tower, wind 310 at 15 cleared to land 31R.
デルタ; Cleared to land 31R, DAL165.
デルタ; Wind check.
管制官; 310 at 15.

 

明日は軽〜い読みもの系を予定しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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